二期生たちの日本語能力試験

この年の始めに、彼らも機械加工の基礎二級技能検定試験を受験しました。チョウの加工は、試験官の先生がサンプルに欲しいくらい綺麗に仕上がっています。とても良く指導されましたね。と言っていただけるくらいの出来でしたが、ただ、もう少し二人とも日本語を勉強してもらってください、と日本語能力の低さを指摘されました。それは私も重々承知しております。しかし、不思議なくらい伸びないんですよね。まぁ仕事上の話は何とか出来るようになっているようですが、どうもそれ以上にならないのです。

私に焦燥感があるから彼らは萎縮して伸びないのか、それとも私の中でまだ一期生の事を考えているから、彼らはそれを敏感に感じ取って反発しているのか?そんな事を考える事が多くなっていました。

当初、日本語能力検定N2の合格を考えていましたが、もはやそれは明らかに夢のまた夢という感じの遠すぎる目標です。
ですから、N3を目標にしましょう、と目標の下方修正を行いました。

来年7月の試験にあわせて、この年の暮れに大阪へN3レベルの単語と文法の本を買いに行き、少しずつですが勉強を開始しました。
本を買っただけで勉強しましたよ!という気持ちになられると困りますから、各自が選んだ本で課題をだしてあります。

土曜日が休日の時に、模擬試験をしたり、課題のチェックをするという感じで勉強は進んでいるかのように思われました。

来年の春には、新しい実習生が来ますよ!君たちは先輩になりますから、恥ずかしくないようにしましょう!と発破をかけることもしました。

しかし、翌年の7月と12月にN3の試験を受けましたが、残念ながら二人とも合格することは出来ませんでした。

後にこれらの経験が、三期生からの日本語教育システムを作るのに役立ちましたよ。