彼らを見送って事務所に帰る車の中は、行くときよりも気持ちが重たい感じです。
会社に戻って、製造部の次長に二人を送ってきたよ、と話したら
「俺の息子が中国へ行きよった」
ポツンと寂しそうに呟いたのが印象的でした。
ほんとバカ息子ほど可愛いよな、と二人でしばらく思い出話をしてその日は仕事になりませんでした。
自分の心の中でとてつもなく大きな穴がポッカリと開いているのがよくわかります。頭では二期生に切り替えて、彼らのことを考えないとダメだとわかっているのですが、どうしてもリュウとジャンの事を考えてしまいます。
無事に帰すことが出来た安心感と、子どもが巣立ってしまった寂しさとが入り混じったような複雑な気持ちでしばらくの時間が過ぎて行きました。
さて、一期生たちのその後ですが、リュウは帰国して結婚し奥さんが日本の永住権を持っておられる人なので、一緒に日本で住んでいます。子供も出来て幸せいっぱいで頑張っているようです。リュウの子どもが生まれた時は、初孫だ~!と技術指導員の製造部の次長と二人で喜びました。
また、ジャンも昨年めでたく以前書いた女性と結婚し、この4月30日に私たちにとって二人目の孫が誕生しました。仕事の方は、去年3月1日から大連事務所の社員としてまた一緒に働くことができています。ジャン先生として研修生たちのしっかり面倒を見てくれています。三期生と四期生は、中国での語学研修終了後から入国までの間、大連事務所で彼が日本語を教えていますので、配属後の社内日本語研修がとても楽になりました。