いよいよ関西空港を飛び立って三年間住んだ日本ともお別れの二人です。この日は、天候があまりよくなく気流の乱れもあり結構飛行機が揺れていました。彼らが日本語研修を受けた淡路島が見えたので二人に教えますが、飛行機の揺れのほうが気になっている感じでした。
私も飛行機が大嫌いで、以前は少し揺れると緊張をしていましたが、もうこれだけ乗っていると少々の揺れでは何とも思わなくなってしまいました。慣れというのは怖いものですねぇ。
前日遅くまで起きていたのでしょう、寝ようとして二人とも目を閉じていますが、揺れるのが気になって緊張しているのがよくわかります。
結局機内食もほとんど食べずじまいでしたね。私はというと中国系航空会社ではiPhoneやスマートフォンは電源を切っておかなければならず、音楽も聞けないし本も読めないので退屈だなぁと。。。。
時折横に座っているドンをつついて ”もうすぐ着きますね?寂しいですね?”と起こすと、”いま揺れていますから危ないです”と言ってとりあってくれませんでした。
高度が下がっていよいよ大連港が見えて来ると、二人とも急に元気になってきました。何だかはしゃぎだしたので、今度は逆に静かにするようになだめるのが大変でした。
関空を出る時まであんなに寂しそうにしていたのに。。。技術指導員に抱きついて帰りたくないですって言ってたのに。。。気持ちはわかりますが、私は彼らと反対に寂しくなってきています。
入国審査も済ませ通関も終わり、家族の待つロビーに行くとソンは従兄弟のお兄さんが待ってくれていました。ドンはお姉さんとお父さんが来ていました。もう二人とも満面の笑みで何やら話しています。
私も出迎えの人たちに ”無事に帰国させられました。三年間、私たちに預けてくださって本当に有難うござました。” とご挨拶を済ませて、お別れをしようと二人を見ると、もはや私のことなど眼中にない感じです。。。彼らとよく冗談で話していた ”アナタ誰ですか?” が現実となっています。
技術指導員たちとのお別れが感動的だったのに比べて私とのお別れはなんと軽いんでしょうか。。。まぁ悲しい悲しいひとときでした。
ジャンが運転をしてくれる車の中で、無事に帰国させられた安心感と別れの寂しさを一人感じていた私でした。