ドンはすっかり変わりましたね

いつものようにスゥとルゥの日本語学習で西九条の寮へ行った土曜日の事です。この日は週末なので、みんなが定時で実習を終わっています。

私が寮へ着いたのが、5時半を回っていました。その時、ソンとドンは近くの業務スーパーへ買い物に行っていたようです。

日本語能力試験三級の問題をやり終わり、間違えたところの解説をしている時に、二人が帰ってきました。帰ってきた時、授業中であることに気がついた二人は、ソッとドアを閉めて冷蔵庫のところでゴソゴソしています。ちょうど話が終わったので、何をしていますか?と見に行きました。

するとドンがアイスクリームを買ってきたようですが、とても熱い日だったので帰ってくるまでに溶けてしまったようです。

「みんなで食べる思ってアイスクリーム買ってきました。今日はとても暑いですから帰るの時に溶けてしまいました。食べられません」と言います。

ん?みんなの分も買いましたか?と不思議に思いました。今までの彼は、どちらかと言うとお金には細かい感じの子でした。ですから、どこかへ遠足に行きましょうか?と聞いた時も必ず「お金はいくら要りますか?」と聞いていました。

余計なことは言わず、”ドン、みんなに買ってきてあげましたか!あなたは優しいですね!”と言うと、「私はいつも親切な人です」と惚けたことを言います。

惚けたことを言いつつ、「部長のもあります」とココアのジュースをくれました。どうしてココアですか?と聞いたら、「部長は日本語の授業する時 いつも冷たいのココアを飲んでいました」と教えてくれたので、そういえばあの頃は、良くアイスココアを飲んでいたなぁと思い出しました。

今までは自分のことだけを考える感じの子だったのに、いつの間にかみんなのことを考えることが出来るように成長しています。今まで受け入れてきた実習生で、一番変化を見せてくれた子だと思います。おまけに、いつの間にやらかなりの甘えん坊になったようで、私や以前の技術指導員に会う度にペタペタとくっつくようになりました。工場で頑張っている反動で甘えたいのだと思いますが、これだけは困ったもんです。ドン曰く、甘えていると安心するそうです。

次の日曜日に、アイスクリームの箱詰めを買って、お返しに持って行きました。