今月の初めから日本語学習を始めた五期生たちですが、徐々に差が出始めてきました。ルゥは二回目の試験で2002年の問題を全問正解しました。しかし、チンは三回目で全問正解、スゥは今日三回目の試験を行います。
昨日、西九条の寮へ行った時、道路からスゥが外で携帯電話で遊んでいるのが見えました。敷地に入ると、私の車が見えたのでしょうか、慌てて寮に入っていきます。知らないふりをして勉強をしている食堂に入ると、ルゥは試験問題をずっと見ています。このような違いが明確な差として現れてくるのだと思います。
また、”ルゥは二回目で満点でしたから、あなたも頑張りましょう!”と言うと、必ずと言っていいほど「ルゥは頭が良いです。すごいです」とチンとスゥは言いますので、”それは違います。語学は、努力をした時間がその能力になります。中国にはたくさんの人がいますね?勉強ができる人、できない人、いろいろな人がいます。でも、みんな同じ中国語を話すでしょう?だから、あなたも努力をしたら必ず彼と同じように日本語を話すことができます”という話をしなければなりません。
性格の違いや努力の差がありますから、複数人いると必ずと言っていいほど能力が高い子低い子が出てくるんですよね。そうした努力の差を学習能力の差として考えず、”○○は頭が良いですから”と諦めてしまう傾向が強いと思います。そういう劣等感も取り除くことが重要ですし、自分が努力した結果が体感できるようにしていくことが必要なのだと思います。
試験後、私が読んだ日本語を書く練習もやりましたが、先日業務の関係で一日勉強を休んだせいでしょうか、スゥの聞き取りの能力も悪くなっている感じがしました。また、聞き取りの時の約束事である”もう一度お願いします”も以前のように、黙って笑いながら私を見るという形に変わっていました。
また、習慣の話でもスゥの服はまた何だか汚れた感じがする服を着ていましたので、この日も”スゥ、その服は汚れている感じがしますね?いつ着替えましたか?”と聞いて悟らせるようにしなければなりませんでした。
一日私と会うことが無かっただけでこのようになります。このように最初は、一歩進んで二歩下がるくらいのマイナス成長になることは、二期生との関わりの中で学んだ私の想定内の事です。その点、一期生たちはお互い負けたくないという感じがありましたから、二人とも同じように向上していってましたけどね。
ここからが彼らとの格闘になっていくわけで、本当の正念場となります。