一番最初に行った2009年3級の文字・語彙と文法・読解の試験を終えた二人に、N3の言語知識(文字と語彙)を行ってみたところ、ルゥが33問中22問正解、スゥが33問中20問正解でした。これは試しにやっただけなので、二回目以降はしませんが、正直な話ここまでの点数をとれるとは思っていませんでした。
この子たちには試験問題をやりながら間違えたところを解説する方法が合っているように感じましたので、このまま2001年から2007年の文字語彙を続けて行い、それからまた順番に各年度の文法読解をやっていく方法で試みています。
ただ、文字を見て理解ができていても、実際の生活や仕事ではヒアリング能力が重要になります。そこで、私が発音をした文章を、自分が聞こえたとおりに書いてもらう事をしてみました。”私が発音した言葉をそのまま書いてください。全部平仮名でも良いです。漢字がわかったら漢字でも良いです”と言ってあります。
試験問題から適当な文章を読んで、書いてもらうと、最初はかなり苦労していましたが、徐々に慣れてきたのか漢字を含めて文章を書いていきます。スゥも最初は平仮名で書いて、自分で漢字に直していきます。ということは、私が発音した文章自体を理解しているということになります。
例えば、”ともだちとしょくどうであいました”これは聞こえたままですが、自分で”友だちと食堂で会いました”と書きなおしていってます。言葉を理解できているからこそ、漢字に直して正しい意味の文章にすることが出来るわけですよね。
加えてここでも習慣をつけるための練習をします。”わからない時は、もう一度お願いしますと言ってください。私は何度でも発音します”と言ってあります。
仕事をするときに一番怖いことは、指示が理解できないまま勝手に作業をすることです。これは以前も書きましたが、不良品の原因になるだけでなく怪我の原因になります。ですから、このような事が起こらないために、”わからない時は何度でも聞く”という習慣をつける練習を行うわけです。彼は聞いて怒られることを恐れています。従って、その恐怖心を取り除くことが必要なわけですね。
”服装””物の置き方”に加えて”聞く”という習慣を増やしました。まだまだ修正していかなければならないことがたくさんあります。しかし、お先真っ暗な状態ではないことだけは確かなようです。