そんな一ヶ月を過ごすと、大連事務所の社員も帰国し、彼らは社内で本当に二人っきりの中国人になります。 かなり心細かったと思うんですよね。
一ヶ月の研修モドキを終えて、実際の仕事に配属!となったわけですが、最初に所属長のところへ連れて行くと…仕事が無いから掃除でもしておいてくれ。 そうです、12月になると全く仕事が無い状態になっていました。 しょうがないので、私と一緒に外の溝掃除をしたのが、彼らの最初の仕事でした。 12月の寒空の下での溝掃除、彼らもきっとつらかったでしょうね。。。
大連事務所の社員が帰国した最初の休日に、彼らと奈良公園へ観光に行きました。 以降、新入実習生の恒例行事となる、”奈良公園で鹿さんと戯れよう” の第一回目です。 近鉄奈良駅まで電車で行って、歩いて奈良公園を通り東大寺大仏殿を見学します。 大仏殿のところで鹿せんべいを買い、彼らに渡すと、最初は喜んでどの鹿に煎餅をあげようか、等とのんきに構えていますが、すぐ鹿がワラワラと寄ってきて、あっという間に囲まれてしまいます。 大抵の場合、ここで煎餅を持ったまま逃げまわりますね。 すると、当然鹿さんは、煎餅を持った人を追いかけるわけです。 この時の様子を写真に撮って、家庭訪問の時に彼らの家族に渡すと、楽しそうだと会話が弾んで喜んでくれます。
実は、この行事には二つの目的が有ります。
一つは、日本語がわからない研修生(二期生以降は実習生)と、中国語がわからない私だけの環境を作ることによって、コミュニケーションの手段を探ること。
もう一つは、電車に乗って移動し、お昼ごはんを一緒に食べることで、外でのマナーを教えること。
この二つは、彼らが三年間日本という外国で生活する上でとても重要なことなのです。
買い物に行くにも言葉がわからないと何も買うことが出来ません。
公共マナーを教えておいて良かった!と思えることが二期生でありました。
その内容は後日詳しく書こうと思っています。