三期生の日本語学習についてもう少し書いてみます。
授業の初めには、必ず母音の発音、50音、短い早口言葉の練習を行います。
早口言葉は単語を理解するのが目的ではなく、あくまでも滑舌よく話すことが目的ですから、言葉を丸暗記して良いと思っています。
その後、毎日の宿題(書き方練習帳)を確認して、”はなまる”を付けてからその日の授業を始めます。書き方練習帳は、平仮名カタカナから小学校低学年で覚える漢字も練習します。現在の中国では簡体書を使っていますから、日本の漢字と若干違いが有ります。その理解と、とにかく字が汚いので少しでも綺麗に書けるように、と思って始めました。
当初一ヶ月はとにかく毎日単語の練習を行いました。
その中で出来なかった単語は、次の日A4サイズで作った写真を見せて、そこでも練習をします。すると約1ヶ月で単語自体の理解は出来るようになります。
また、写真を使うことにより、ゲーム感覚で単語を覚えることが出来るようですね。
二ヶ月目に入ると短文の練習です。絵本のように、”はをみがく”という文と絵が書いてあるのを見ながら発音します。その時に、動作も一緒にしてもらいます。動作をすることにより中国語に変換しないで意味を理解できるように考えてみました。
三ヶ月目からは、文法の本を使いながら、文法の説明と小学校低学年が書く程度の日記や絵本の昔話を読んでみます。この時期では、ただ発音するだけでなく、意味を考えながら発音する練習を行います。
昔々あるところに(很久很久以前)などのように理解することを目的とします。読んだあとに、読解力を確認するためにいろいろな質問をしてみます。今日はどこへ行きましたか? なんという動物園ですか?お昼ごはんは何を食べましたか?など毎日同じ質問を繰り返し、毎日一つ新しい質問を増やしていきます。
また、文法の説明は退屈ですから、教える文法の形式が入ったような話題をしながら話します。
その文法の節や単語の変化が出てきた時に、初めて説明をするわけですね。
今回は、かなり順調に日本語教育が進んでいました。
ひょっとしたら、今年の12月にN3の試験を受験できるかも?と思ってたのですが、この年の秋にセイが起こした問題により、しばらく日本語の勉強が中断になり、その後仕事が忙しくなってしまったので、そのままになってしまいました。
ただ、彼らにはN2を目標として自分で勉強しておきましょう、と話していますが…どうやることやらですね。