ジャンがまだ滞在中の出来事です。
午前中は製造部で仕事をして、午後から事務所に来た時、ジャンが
「次長、寮の部屋が汚いのを知っていますか?」
と言いました。
私は、はい、知っていますよ。いくら話しても綺麗にしませんから、時々私も寮へ行って一緒に掃除をしています、と返事をしました。
ジャン
「私も何回も言いました。でもダメです。新しい研修生も来て、あの二人に悪い影響があると思います」
おお!なかなか良いことを言うではないか?と思いながら
では、どうしたら良いと思いますか?と聞いてみました。
ジャンは、
「掃除当番表を作りましょう。毎日、場所を決めてみんなで掃除をします。そうしたら良いでしょ?」
はい、では君が掃除当番表を作ってください。私がみんなに話しましょう。
「いいえ。私が話します」
と彼が言いましたので、ジャンに任せてみました。
ただ、一番年上のチョウが彼に反発するのが心配でしたから、話の間ジャンの横で座っていました。
各自の部屋、食堂、トイレ、廊下、お風呂場を毎日分担してみんなで掃除をします。今までよりはマシにはなるだろうけど、それほど効果は出ないだろうな、と私は思っていました。何故ならば、二期生たちと一期生たちは根本的に「綺麗」の基準が違うのです。リュウとジャンが掃除をする時、下にあるものを動かして掃除機をかけます。あまり使いたくない言葉ですが…最近の当社の若い人には見られなくなった丁寧さです。初めてリュウとジャンがする掃除を見た時、感動さえ覚えたくらいでした。それくらい丁寧に掃除をします。二期生たちの掃除は、しましたよ!の感じです。掃除機も拭き掃除でも置いてあるものを動かしてすることはないので、斑になってます。
掃除当番表を作った次の日、仕事が終わってから、みんなで掃除をしましたか?と聞いてみました。
四人とも爽やかに
「はい、しました!きれいです!」
その横でジャンが苦虫を噛み潰したような顔をしていました。